ふとしたきっかけで調べ始めた大塚製薬の資本関係も今回で3回目を迎えることになった。過去2回のエントリーは次のとおり。
上場優良企業大塚製薬の資本関係未
未上場優良企業大塚製薬の資本関係(アップデート)
2008年7月8日付けでの株式移転による持ち株会社設立は無事終了したようである。そして、その持ち株会社である大塚ホールディングスより、7月25日付けで臨時報告書が5件提出されている。それらの臨報には、これから半年間の間に行われる資本関係整理の予定が載っている。
これから行われるトランザクションの内容は上記のような感じ。これらそれぞれのトランザクションの内容とその実行順番がとても興味深い。順に見ていこう。
まずは株式移転による持ち株会社(大塚ホールディングス)が設立された状態の確認。7月8日現在の資本関係は次のとおり。大塚ホールディングスが保有している株式は大塚製薬のみである。
続いて、10月1日付けのトランザクション。大塚製薬の株式管理事業に関して有する権利義務の一部を大塚ホールディングスに承継させる吸収分割が行われる。要するに、大塚製薬が保有している3社(大塚製薬工場、大塚倉庫、大塚化学ホールディングス)の株式が大塚ホールティングスに譲渡されるということ。
なぜ、単純な譲渡(売買取引)でなくて、「株式管理事業に関して有する権利義務の一部を承継させる吸収分割」ということをするのかと言えば、おそらくだけど節税のためだろう。単純な譲渡(売買取引)だと含み益が実現してしまうので、その含み益に対して課税されてしまう。だけど、大塚ホールディングスと大塚製薬は100%の親子関係なので、この吸収分割は税制適格となり簿価での移転が認められるということだろうか。
で、この吸収分割の結果、大塚ホールディングスは、大塚製薬に加え3社(大塚製薬工場、大塚倉庫、大塚化学ホールディングス)の株式を保有することになる。(次の図を参照)
続いて、10月31日付けのトランザクション。大塚ホールディングスは株式交換により大塚製薬工場を完全子会社とする。すなわち、大塚ホールディングスによる大塚製薬工場への出資比率がそれまでの60%から100%ヘと変わる。また、大塚製薬工場の40%を保有していた少数株主は大塚ホールディングスの株主となる。
なお、10月1日と31日のそれぞれの取引の順番が逆だと自己株式がたくさん発生してしまうので、先に吸収分割を行っていたのには意味がある。
10月31日現在の資本関係は次のとおり。大塚製薬工場への出資比率が変わったのみ。
続いて、11月1日付けのトランザクション。この日は2つのトランザクションが予定されている。すなわち、「大塚倉庫の株式管理事業に関して有する権利義務の一部を大塚ホールディングスに承継させる吸収分割」と「大塚製薬工場の株式管理事業に関して有する権利義務の一部を大塚ホールディングスに承継させる吸収分割」だ。要するに、大塚倉庫と大塚製薬工場の2社がそれぞれ保有している株式(大塚化学ホールディングスと大鵬薬品工業)を大塚ホールディングスに譲渡するというもの。
単純な譲渡(売買取引)でなくて吸収分割を使うのは節税のため。ここで、今回の吸収分割が大塚製薬工場を完全子会社化した後で行われることに着目したい。おそらく、60%の資本関係のままでは税制適格要件を満たさないので、株式交換を先に持ってきたのだろう。
なお、大塚倉庫の株式管理事業の吸収分割がこのタイミングで行われる理由が良くわからない。10月1日付けでもかまわないような気がするのだが。。もし、わかる方がいらっしゃいましたら教えてください。
11月1日現在の資本関係は次のとおり。大塚ホールディングスが大塚化学ホールディングスおよび大鵬薬品の株式を直接保有するようになる。
続いて、2009年1月1日付けのトランザクション。大塚ホールディングスは株式交換により大鵬薬品工業を完全子会社とする。すなわち、大塚ホールディングスによる大鵬薬品工業への出資比率がそれまでの52.1%から100%ヘと変わる。また、大鵬薬品工業の48.9%を保有していた少数株主は大塚ホールディングスの株主となる。(52.1とか48.9という数値は概算なのでご了承ください)
2009年1月1日現在の資本関係は次のとおり。大鵬薬品工業への出資比率が変わったのみ。
上記の2009年1月1日現在の資本関係図に、その他の資本関係が濃い上場企業を追記したのが次の図。まあ、参考まで。
本当は以上の他に大塚ホールディングスの株主構成が2度の株式交換を経てどのように変化するのかも考えたかったのだが、大製薬工場の株主構成が厳密にはよくわからないところがあったのと、めんどくさくなってきたので、あきらめた。
残る課題は、大塚ホールディングスと大塚化学ホールディングスのお互いが筆頭株主という相互保有状態だろうか。今後の動きにも要注目。
上場優良企業大塚製薬の資本関係未
未上場優良企業大塚製薬の資本関係(アップデート)
2008年7月8日付けでの株式移転による持ち株会社設立は無事終了したようである。そして、その持ち株会社である大塚ホールディングスより、7月25日付けで臨時報告書が5件提出されている。それらの臨報には、これから半年間の間に行われる資本関係整理の予定が載っている。
| 日付 | トランザクションの内容 |
| 2008年 10月1日 |
大塚製薬の株式管理事業に関して有する権利義務の一部を大塚ホールディングスに承継させる吸収分割 (対象株式) 大塚化学ホールディングス株式会社 株式 株式会社大塚製薬工場 株式 大塚倉庫株式会社 株式 |
| 2008年 10月31日 |
大塚製薬工場を大塚ホールディングスの完全子会社とする株式交換 |
| 2008年 11月1日 |
大塚倉庫の株式管理事業に関して有する権利義務の一部を大塚ホールディングスに承継させる吸収分割 (対象株式) 大鵬薬品工業株式会社 株式 大塚化学ホールディングス株式会社 株式 |
| 大塚製薬工場の株式管理事業に関して有する権利義務の一部を大塚ホールディングスに承継させる吸収分割 (対象株式) 大鵬薬品工業株式会社 株式 大塚化学ホールディングス株式会社 株式 |
|
| 2009年 1月1日 |
大鵬薬品工業を大塚ホールディングスの完全子会社とする株式交換 |
これから行われるトランザクションの内容は上記のような感じ。これらそれぞれのトランザクションの内容とその実行順番がとても興味深い。順に見ていこう。
まずは株式移転による持ち株会社(大塚ホールディングス)が設立された状態の確認。7月8日現在の資本関係は次のとおり。大塚ホールディングスが保有している株式は大塚製薬のみである。
続いて、10月1日付けのトランザクション。大塚製薬の株式管理事業に関して有する権利義務の一部を大塚ホールディングスに承継させる吸収分割が行われる。要するに、大塚製薬が保有している3社(大塚製薬工場、大塚倉庫、大塚化学ホールディングス)の株式が大塚ホールティングスに譲渡されるということ。
なぜ、単純な譲渡(売買取引)でなくて、「株式管理事業に関して有する権利義務の一部を承継させる吸収分割」ということをするのかと言えば、おそらくだけど節税のためだろう。単純な譲渡(売買取引)だと含み益が実現してしまうので、その含み益に対して課税されてしまう。だけど、大塚ホールディングスと大塚製薬は100%の親子関係なので、この吸収分割は税制適格となり簿価での移転が認められるということだろうか。
で、この吸収分割の結果、大塚ホールディングスは、大塚製薬に加え3社(大塚製薬工場、大塚倉庫、大塚化学ホールディングス)の株式を保有することになる。(次の図を参照)
続いて、10月31日付けのトランザクション。大塚ホールディングスは株式交換により大塚製薬工場を完全子会社とする。すなわち、大塚ホールディングスによる大塚製薬工場への出資比率がそれまでの60%から100%ヘと変わる。また、大塚製薬工場の40%を保有していた少数株主は大塚ホールディングスの株主となる。
なお、10月1日と31日のそれぞれの取引の順番が逆だと自己株式がたくさん発生してしまうので、先に吸収分割を行っていたのには意味がある。
10月31日現在の資本関係は次のとおり。大塚製薬工場への出資比率が変わったのみ。
続いて、11月1日付けのトランザクション。この日は2つのトランザクションが予定されている。すなわち、「大塚倉庫の株式管理事業に関して有する権利義務の一部を大塚ホールディングスに承継させる吸収分割」と「大塚製薬工場の株式管理事業に関して有する権利義務の一部を大塚ホールディングスに承継させる吸収分割」だ。要するに、大塚倉庫と大塚製薬工場の2社がそれぞれ保有している株式(大塚化学ホールディングスと大鵬薬品工業)を大塚ホールディングスに譲渡するというもの。
単純な譲渡(売買取引)でなくて吸収分割を使うのは節税のため。ここで、今回の吸収分割が大塚製薬工場を完全子会社化した後で行われることに着目したい。おそらく、60%の資本関係のままでは税制適格要件を満たさないので、株式交換を先に持ってきたのだろう。
なお、大塚倉庫の株式管理事業の吸収分割がこのタイミングで行われる理由が良くわからない。10月1日付けでもかまわないような気がするのだが。。もし、わかる方がいらっしゃいましたら教えてください。
11月1日現在の資本関係は次のとおり。大塚ホールディングスが大塚化学ホールディングスおよび大鵬薬品の株式を直接保有するようになる。
続いて、2009年1月1日付けのトランザクション。大塚ホールディングスは株式交換により大鵬薬品工業を完全子会社とする。すなわち、大塚ホールディングスによる大鵬薬品工業への出資比率がそれまでの52.1%から100%ヘと変わる。また、大鵬薬品工業の48.9%を保有していた少数株主は大塚ホールディングスの株主となる。(52.1とか48.9という数値は概算なのでご了承ください)
2009年1月1日現在の資本関係は次のとおり。大鵬薬品工業への出資比率が変わったのみ。
上記の2009年1月1日現在の資本関係図に、その他の資本関係が濃い上場企業を追記したのが次の図。まあ、参考まで。
本当は以上の他に大塚ホールディングスの株主構成が2度の株式交換を経てどのように変化するのかも考えたかったのだが、大製薬工場の株主構成が厳密にはよくわからないところがあったのと、めんどくさくなってきたので、あきらめた。
残る課題は、大塚ホールディングスと大塚化学ホールディングスのお互いが筆頭株主という相互保有状態だろうか。今後の動きにも要注目。
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