先日書いた優先株という名のMSCBというエントリの閲覧数がかなり多かったので、転換社債型新株予約権付社債(以下、転換社債と略す)について考えてみた。ここでは単純化のために、転換価格が変動するMoving Strikeではなくて、転換価格が社債発行時に固定されているものについて考えてみる。
転換社債をその要素に分解してみると次のようになる。
転換社債 = 社債 + コールオプションの売り
何で普通の社債を発行しないのかといえば、コールオプションの売りポジションからもたらされるプレミアムを使って、社債のクーポン部分を小さく抑えようということだ。転換社債に対する投資家は、社債に投資したことに加え、コールオプションを買ったことになる。当然、オプションは価値を持っているから、そのオプションの価値の分だけ、社債部分の利息は小さくてもよいということになる。
しかし、クーポンが小さくなることによって表面上の負債コストは小さくなるが、オプションの売りポジションから自己資本側の資本コストが発生している。投資家が転換社債を株式に転換する、すなわちオプションを行使するということは、その権利行使時点における市場の株価に比して転換価額の方が有利だということであり、確実に希薄化が発生する。そう考えると、結局、負債と自己資本の両方を合わせた資本コスト全体としては資金調達コストは節約になっていない。
では、転換社債を発行する会社にはどのような意図があるのだろうか?通常のケースにおけるオプションの売り手の損益を考えてみればわかりやすい。通常、オプションの売り手が得をするのは、オプションが行使されないまま、権利行使期限が過ぎてしまった場合だ。したがって、発行会社が“結果的に”得するのは、コールオプションが行使されなかった時、すなわち株式への転換が起こらなかった時、ということになる。オプションを売った対価として、低いクーポンレートで社債を発行できた上に、転換権が行使されなかったので自己資本の希薄化も起こらなかいからだ。
このように考えてみると、転換社債を発行する会社というのは、株価が上昇しない方向に賭けていると理解することができる。転換社債を発行するような会社は、会社自身が株価が上昇しないことを予想しているわけだから、少なくとも株式の投資対象としては相応しくない可能性がある。
以上、思いつきで書きましたので、ファイナンスの実務に詳しい方の反論をお待ちしております。
転換社債をその要素に分解してみると次のようになる。
転換社債 = 社債 + コールオプションの売り
何で普通の社債を発行しないのかといえば、コールオプションの売りポジションからもたらされるプレミアムを使って、社債のクーポン部分を小さく抑えようということだ。転換社債に対する投資家は、社債に投資したことに加え、コールオプションを買ったことになる。当然、オプションは価値を持っているから、そのオプションの価値の分だけ、社債部分の利息は小さくてもよいということになる。
しかし、クーポンが小さくなることによって表面上の負債コストは小さくなるが、オプションの売りポジションから自己資本側の資本コストが発生している。投資家が転換社債を株式に転換する、すなわちオプションを行使するということは、その権利行使時点における市場の株価に比して転換価額の方が有利だということであり、確実に希薄化が発生する。そう考えると、結局、負債と自己資本の両方を合わせた資本コスト全体としては資金調達コストは節約になっていない。
では、転換社債を発行する会社にはどのような意図があるのだろうか?通常のケースにおけるオプションの売り手の損益を考えてみればわかりやすい。通常、オプションの売り手が得をするのは、オプションが行使されないまま、権利行使期限が過ぎてしまった場合だ。したがって、発行会社が“結果的に”得するのは、コールオプションが行使されなかった時、すなわち株式への転換が起こらなかった時、ということになる。オプションを売った対価として、低いクーポンレートで社債を発行できた上に、転換権が行使されなかったので自己資本の希薄化も起こらなかいからだ。
このように考えてみると、転換社債を発行する会社というのは、株価が上昇しない方向に賭けていると理解することができる。転換社債を発行するような会社は、会社自身が株価が上昇しないことを予想しているわけだから、少なくとも株式の投資対象としては相応しくない可能性がある。
以上、思いつきで書きましたので、ファイナンスの実務に詳しい方の反論をお待ちしております。
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