・戦略「脳」を鍛える
ボストン・コンサルティンググループの日本代表である御立尚資氏が、定石を超える戦略の構想に必要な「インサイト」について解説した本である。この本を読んで最も興味深かったのは左右両方の脳を使って思考スピードを上げる方法についてである。右脳的な思考の必要性は以前に紹介したハイコンセプトでも触れられていたが、右脳の必要性とか使い方については本書の方が理解しやすい。
ハイコンセプトにもでてくるエピソードだが97年に行われたチェスの世界チャンピオンであるカスパロフ氏とIBMのディープブルーとの対戦の逸話が本書にも登場する。ディープブルーは14手先までの全差し手を調べて最善手を指す。チェスで1局面に可能な指し手は平均35通りあるので35の14乗という膨大な手数をひとつずつ全て検討するのである。人間が左脳のみを使って、同じように論理思考の積み上げだけでやっていたのではコンピュータに敵うわけがない。次に紹介されているのが将棋の羽生氏についてのエピソード。将棋の場合は、ひとつの局面で選択可能な差し手がチェスよりも遥かに多く、プロ棋士と互角に戦えるほどの計算力を持ったコンピュータはまだ登場していない。しかし、論理的な思考能力でコンピュータに遥かに劣る人間であるプロ棋士が数十手先まで読むことができるのはどうしてか、羽生氏が詰め将棋の超難問を解く際に脳のどの部分が働いているのか測定したのである。
右脳を使うというのは何も絵がうまいとか、そういった使い方だけではないのだということを、今更ながらに認識した。
ボストン・コンサルティンググループの日本代表である御立尚資氏が、定石を超える戦略の構想に必要な「インサイト」について解説した本である。この本を読んで最も興味深かったのは左右両方の脳を使って思考スピードを上げる方法についてである。右脳的な思考の必要性は以前に紹介したハイコンセプトでも触れられていたが、右脳の必要性とか使い方については本書の方が理解しやすい。
ハイコンセプトにもでてくるエピソードだが97年に行われたチェスの世界チャンピオンであるカスパロフ氏とIBMのディープブルーとの対戦の逸話が本書にも登場する。ディープブルーは14手先までの全差し手を調べて最善手を指す。チェスで1局面に可能な指し手は平均35通りあるので35の14乗という膨大な手数をひとつずつ全て検討するのである。人間が左脳のみを使って、同じように論理思考の積み上げだけでやっていたのではコンピュータに敵うわけがない。次に紹介されているのが将棋の羽生氏についてのエピソード。将棋の場合は、ひとつの局面で選択可能な差し手がチェスよりも遥かに多く、プロ棋士と互角に戦えるほどの計算力を持ったコンピュータはまだ登場していない。しかし、論理的な思考能力でコンピュータに遥かに劣る人間であるプロ棋士が数十手先まで読むことができるのはどうしてか、羽生氏が詰め将棋の超難問を解く際に脳のどの部分が働いているのか測定したのである。
頭の中に蓄積された定石を土台として、盤面をビジュアルイメージでとらえて「これだ」という手を仮説として右脳で導き出し、次に左脳で論理的に仮説を検証している。この思考スピードが並外れて速いのだ。
右脳を使うというのは何も絵がうまいとか、そういった使い方だけではないのだということを、今更ながらに認識した。
コメントする